サーベルタイガーは強かったと聞きますよね。
けれども、実際のところライオンとサーベルタイガーではどちらの強さが上だったのか..?
- 体の大きさ
- 狩りのスタイル
などから、ライオンとサーベルタイガーの強さを比較してみました。
また、特徴の長い牙が邪魔だったという説もあります。
本当に牙は邪魔だったのか、サーベルタイガーの絶滅理由についても調べてみました。
絶滅動物のサーベルタイガーに興味のある方は是非チェックしていってくださいね☆
サーベルタイガーの種類と名前の由来
約1万年前に絶滅したサーベルタイガー(sabre-toothed tiger)は 、剣歯虎(けんしこ)とも呼ばれ、主に以下の3属に分類されます。
- スミロドン族
- メタイルルス族
- ホモテリウム族
とても長い牙にちなんで【サーベル=刀】タイガーという名前をつけられました。
ネコ科 「マカイロダス亜科」でサーベルタイガーだけの系統で、タイガーと言っても虎とは同属ではありません。ネコ属ともヒョウ属(ライオンやトラなど)とも遠い系統です。
サーベルタイガーの強さをライオンと比較
サーベルタイガーとライオンを大きさ、狩りのスタイルなどで比較して強さを想像してみたいと思います。
大きさ
サーベルタイガー | ライオン(オス) | |
肩までの高さ | 1m から1.2m | 1.2m |
体長 | 1.9m から2.5m | 1.7~2.5m |
体重 | 270 kg | 150 kg から225 kg |
サーベルタイガーとライオンではほぼ同じ大きさで、サーベルタイガーの方が少しガッチリした体格だったようです。
狩りのスタイル(群れOR単独)
サーベルタイガー | ライオン | |
場所 | 森 | 草原 |
獲物 | 大型動物 | 主に小型動物 |
群れか単独か | 群れ | 群れ |
獲物の捉え方 | 待ち伏せして襲い掛かる | 忍び寄ってから追いかける |
サーベルタイガーもライオンも集団で群れをなして狩りをするという点は共通でした。 ただ、サーベルタイガーはライオンのように速く走れなかったため、 比較的動作がゆっくりめな大型の動物を狙って、待ち伏せして獲物を狩ったと言われています。
サーベルタイガーとライオンはどちらが強かったのか
私の個人的な 見解ですが、ライオンの方が絶滅せずに生き残ったことからも考えると、もしサーベルタイガーとライオンが一騎打ちしたら、ライオンの方が足が速く機敏に動ける分、強いのではないかと思います。
サーベルタイガーの牙は邪魔だったのか?
サーベルタイガーの大きな特徴でもある上顎の犬歯。長さが20cm~24cm と、とても長いので『牙』とも呼ばれています。
この牙はサーベルタイガーが狩りをする時とても役立ちました。マンモスやゾウ・パイソンなどの 大きな動物の首元に牙を立て、 狩りをしていたと考えられています。
ただ、牙とは言ってもただの犬歯なので、力を強く入れると、歯が抜けてしまったり、てこの原理によりサーベルタイガーの上顎の骨を逆に痛めてしまったりする危険がありました。そのため、獲物の柔らかい部分(のどや首元など)にしか、噛みつけなかったことが研究でわかっています。
なので、『牙が邪魔だった』というわけではなく、狩りをするのに必須のものだったけれども、扱いが難しかったと言ったほうが正解かと思います。
サーベルタイガーの体の特徴|弱点はあった?
サーベルタイガーの主な体の特徴をご紹介します。『最強』と呼ばれていますが、弱点はあったのでしょうか?
顎
化石の頭蓋骨を CT スキャンした結果、 サーベルタイガーの顎(あご)の力もそこまで強くなかったとという研究結果も出ています。
ただし、首から頭にかけての筋肉はかなり発達していたので、頭を押し下げる力は強かったようです。
サーベルタイガーの狩りのスタイルが、『犬歯を獲物の首筋やノドに牙を突き立てる』というスタイルなのがわかりますね。
足
サーベルタイガーは体重も重かったので、足も速くなく追うのは苦手でした。 NHK の『ダーウィンが来た 』の放送で、少しがに股歩きだったという レポートも出ています。
ただ、単に足の力が弱かったわけではなく、前足の筋肉はとても強力でした。これは牙を獲物に突き刺し踏ん張るときに役立っていたと考えられています。
サーベルタイガーが絶滅した理由とは
サーベルタイガーは絶滅した理由は、 現在、気候の変動とそれに伴う獲物の減少が原因とされています。
恐竜
私は恐竜にも全然詳しくないので今回初めて知ったのですが、恐竜が絶滅したのは6550万年前なので、サーベルタイガーと恐竜は共存していません。なのでサーベルタイガー絶滅の原因とは考えられません。
気候の変動
サーベルタイガーは氷河期も経験しています。約250万年前に訪れた氷河期では、寒くなったり暖かくなったりを繰り返しました。
サーベルタイガーは寒さも乗り越えましたが、暖かくなった際に氷が溶けて生き延びれなかった動物も多くいます。
肉食動物だったサーベルタイガーは、獲物としていた大型動物が減ってしまったことが、絶滅の有力な原因と言われています。大型動物を狩りするのに適応しすぎてしまい、小型動物を狩るほど機敏に動けなかったためです。
また、沼にハマった獲物を待ち伏せて狙ったけれども、サーベルタイガー自身も沼に足を取られて亡くなったと思われる化石も発見されています。
マンモスの絶滅
サーベルタイガーは、マンモスなどの大型動物を集団で狙って狩りをして生活していました。しかし氷河期によりマンモスが絶滅してしまったことも、サーベルタイガー絶滅の原因の1つと考えられています。
ヒト(ホモサピエンス)の影響
サーベルタイガーと人(ホモサピエンス) 時代は重なっていますが、生息していた地域は重なっていません。一時期、人がサーベルタイガーの毛皮を得るために狩ったとも言われていましたが、現在はこの説は支持されていません。
サーベルタイガーの生き残り説はウソ?
南アフリカで『ヴァッソコ』と呼ばれる、 未確認動物がサーベルタイガーの生き残りではないかと言われています。体長が4メートルほどもあり、長い牙でカバなどを襲っているという情報が出ているそうです。
ただしこちらは未確認動物(UMA)なので、確かな情報ではありません。
もし本当だとしたら見てみたいですね。
サーベルタイガーの化石標本が見られる博物館・動物園は日本にある?
サーベルタイガーの全身骨格標本がある博物館は、私が調べた限り下記の6個でした。
自然博物館(茨城県坂東市)
詳しい情報はこちら⇒ミュージアムパーク茨城県自然博物館
国立科学博物館(東京都上野)
詳しい情報・口コミはこちら⇒国立科学博物館
恐竜博物館(福井県勝山市)
詳しい情報・口コミはこちら⇒福井県立恐竜博物館
ねこの博物館(静岡県伊東市)
詳しい情報・口コミはこちら⇒ねこの博物館
徳島県立博物館(徳島県徳島市)
詳しい情報はこちら⇒徳島県立博物館
いのちのたび博物館(福岡県北九州市)
詳しい情報はこちら⇒北九州市立いのちのたび博物館(自然史・歴史博物館)
サーベルタイガーが展示されている動物園はありませんでした。
他でも、臨時の展示などは、随時色々な博物館で行っているようです。
興味があって、お近くの方は時期を見て行ってみてくださいね。
サーベルタイガーの強さとなぜ滅んだかのまとめ
以上サーベルタイガーの強さをライオンと比較し、なぜ滅んだか絶滅の理由などを探ってみました。
サーベルタイガーはどっしりと構えて獲物が来たところを襲う狩りのパターンだったんですね。それがゆえ絶滅してしまったと考えられていることもわかりました。
生き残りの説も興味をそそられますが、骨格標本を見ると、すごく長い牙なので、大きなサーベルタイガーが目の前に現れたらさぞ怖いだろうなと思います。